巨大数研究 Wiki
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指数タワーパラドックスは、Robert Munafoが発見した巨大数の計算で生じるパラドックスで、通常は丸め誤差によって生じる[1]。このパラドックスはHypercalcで見ることができる。

このパラドックスは\(50^{10^{10^{10}}}\)の10を底とする指数展開でみられる:

\(50^{10^{10^{10}}} = 10^{\text{log}_{10}50 \cdot 10^{10^{10}}} \approx 10^{1.698970004 \cdot 10^{10^{10}}} = 10^{10^{\text{log}_{10} 1.698970004 + \text{log}_{10} 10^{10^{10}}}} = 10^{10^{\text{log}_{10} 1.698970004 + 10^{10}}}\)

\(\approx 10^{10^{0.230185711 + 10^{10}}} = 10^{10^{10000000000.230185711}} = 10^{10^{1.0000000000230185711 \cdot 10^{10}}}\)

\(= 10^{10^{10^{\text{log}_{10} 1.0000000000230185711 + \text{log}_{10} 10^{10}}}} = 10^{10^{10^{\text{log}_{10} 1.0000000000230185711 + 10}}} \approx 10^{10^{10^{10.0000000000099968384}}}\)

これと \(10^{10^{10^{10}}}\) の比較はより高い精度とより多い「スタック」が必要になるが、 低精度のコンピュータは \(50^{10^{10^{10}}} \approx 10^{10^{10^{10}}}\)と信じるだろう。 Munafoのオリジナルの例では、100桁の精度が必要になる。だが、今のコンピュータではそれは難しい。

このパラドックスは、指数タワーの頂上を計算する時に起きるため、指数タワーが高くなればなるほどこの誤差は大きくなる。

Sbiis Saibian は、このパラドックス的な特性を「パワータワーとのパンデモニウム」と呼び、いくつかの補題を導いた[2]。フィッシュは、パワータワーの第一次近似のためにテイラー展開を使用した[3]

この現象は指数タワーのみでなく多くの巨大数でみられる。たとえば、 グラハム数 は 中央の3を4に取り換えた\(3 \{\{1\}\} 65\) (膨張)である。 \(g_{64} \approx 3 \{\{1\}\} 65\)としたいが、事実 \(g_{64}\)の方がかなり大きい。\(g_{64}\)はただ"巨大数論的に"\(3 \{\{1\}\} 65\)に近いとしか言えない。巨大数論者はよく \(g_{64} \approx 3 \{\{1\}\} 65\)とする。

出典[]

  1. Power-tower paradox
  2. Sbiis Saibian. 3.3.1 Pandemonium With Power Towers Large numbers. Retrieved 2023-09-03.
  3. Fish. Approximation based on power-tower paradox 2023-09-03.
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