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    順序数講座の12回目です。前回は、ブーフホルツのΨ関数を解説しました。フェファーマンのθやブーフホルツのψではTFBが限界となっていますが、その先にはどのような順序数表記があるでしょうか。今回の講座では、Googology Wiki で議論されている TFB を超える構成的順序数の表記についてざっと見ていきます。今回は、私自身も十分に理解できていないということもあり、いつもの「気持ちの講座」をさらにざっくりとさせた「気持ちの気持ちの講座」となります。この講座をきっかけとして興味を持った人が自習できるように、なるべく参考サイトを示しながら進めていきます。

    Googology Wiki で順序数崩壊関数についての理解が深まったのは、2013年の Deedlit11 さんの Ordinal Notations と題する一連のブログ記事です。まずは、そのブログ記事をざっと眺めてみます。

    Ordinal Notations I: Up to the Schutte Klammersymbolen

    この回では、カントールの標準形とヴェブレン関数について解説されています。ヴェブレン関数については、多変数および超限変数のバージョンも紹介されています。

    Ordinal notations II: Up to the Bachmann-Howard ordinal

    バッハマン・ハワード順序数 BHO までの順序数崩壊関数について、3種類が紹介されています。

    1. Wolfram Pohlers のψ関数
    2. フェファーマンのθ関数
    3. θ関数を1変数にしたϑ関数

    そして、ψ関数について標準形と基本列を定義しています。

    Ordinal Notations III: Collapsing Higher Cardinaliti ……
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    順序数講座の11回目です。前回は、フェファーマンのθ関数を紹介しました。

    今回の講座では、ブーフホルツがフェファーマンのθ関数を改良して1986年に次の論文で発表したψ関数を紹介します。

    Buchholz, W. (1986) "A New System of Proof-Theoretic Ordinal Functions". Annals of Pure and Applied Logic, 32; 195-207.

    論文の最初のところだけ読んでみます。

    この論文では ψν (ν ≤ ω) という順序数の関数族を発表する。これは大きな構成的順序数を表記するこれまでの中で最も簡単な方法のようである。これらの関数はθ関数の簡略化バージョンであるが、同じ強さを持つ。(原文: In this paper we present a family of ordinal functions ψν (ν ≤ ω), which seems to provide the so far simplest method for denoting large constructive ordinals. These functions are a simplified version of the θ-functions, but nevertheless have the same strength as those.)

    つまり、θ関数よりも「簡単なのに同じ強さ」というセールスポイントで発表された関数です。これがその定義です。


    定義(ブーフホルツのψ関数)
    ブーフホルツのψ関数 ψν(α) = ψνα を次のように定義する。
    1. 順序数 ν, α に対して、集合 Cν(α) を次のように定める。
    2. Ων よりも小 ……


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    順序数講座の10回目です。前回は、ヴェブレン関数の定義をしました。

    1. φαβ は 0 と + とφγ
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    順序数講座の9回目です。前回は、エプシロン数つまりφ1の定義をしてから、ゼータ数つまりφ2を定義しました。

    1. φ0(α) は 0 と + で閉じているα番目の順序数
    2. φ1(α) は 0 と + とφ0 で閉じているα番目の順序数
    3. φ2(α) は 0 と + とφ0 と φ1で閉じているα番目の順序数

    のように定義されました。そして、一般にφαの定義は

    φα(β) は 0 と + とφγ
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    順序数講座の8回目です。前回は、ε0 を何通りかの方法で定義しました。

    1. ε0は 0 と + とφ0 で閉じている最小の順序数
    2. ε0は 0 と + とφ0 で有限の文字で書けるすべての順序数の集合
    3. ε0は φ0(α) = α を満たす最小の順序数
    4. ε0は基本列がε0[n] = φ0n(0) の順序数
    5. ε0 = φ0ω(0)

    ε0 は、φ1(0) とも書きます。そして、実は

    φ1(α) = εα

    と書いて、これを「α番目のε数(エプシロン数)」のように言います。つまり、最小のε数がε0です。このφ1という関数は、どのような関数でしょうか。ということで、次は φ1 という関数について考えます。

    ε0は 0 と + とφ0 で閉じている最小の順序数

    という定義をφ1を使って書くと

    φ1(0) は 0 と + とφ0 で閉じている最小の順序数

    となります。そして、

    φ1(α) は 0 と + とφ0 で閉じているα番目の順序数

    がφ1 の定義となります。φ0の定義と並べてみましょう。

    1. φ0(α) は 0 と + で閉じているα番目の順序数
    2. φ1(α) は 0 と + とφ0 で閉じているα番目の順序数

    定義の規則性が見えてきますね。この定義を基本として、φ1 の同等の定義をいくつか示します。

    まずは、このφ1の定義は

    φ1(α) は 0 と + とφ0 とφ1(β) (α>β) で有限の文字で書けるすべての順序数の集合

    と同じです。これはどういうことでしょうか。

    たとえば φ1(1) について考えてみましょう。これはつまり ε1です。すでに φ1(0) = ε0 が定義されたので、このε0という順序数と + とφ0 を使って作れるすべての順序数が、次の0 と + とφ0で閉じている順序数ということになります。同様に、φ1(α) を定義するときには、す ……

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